よく聞き給え。これが妊娠だ…!! 〜まりこの妊娠悪阻闘病記②〜妊娠悪阻ってなんだろうの巻
みなさまこんにちは。
出産を控え臨月に突入した、フリーアナウンサーの池田麻里子です。
前回に続き、妊娠悪阻(にんしんおそ)についてさっそくみていきましょう。
妊娠悪阻の症状とは
ノロウィルス、嘔吐が止まらない激しい船酔いと二日酔い、栄養失調、脱水症状、貧血、酸欠、睡眠不足などが一気に押し寄せてきて、24時間1秒たりとも休めません。
しかも、いつ終わるかわからない。出産するまで続くかもしれませんし、産後も症状が残る方も。
運がよければ、妊娠後期に入る頃には収まるかもしれませんが、いずれにしろ、上記の1秒たりとも休めない地獄の症状が数ヶ月は続きます。
対処できる薬は皆無。
冷静に想像してみてください。
耐えられますか??
はっきり言って、簡単に死ねます。というよりも、いっそ殺してくれ、死にたい、と思います。
入院したところで、できる対処法は、点滴による水分補給と栄養補給に吐き気留めの注入のみです。自力で水分が摂れるようになるまで、ひたすら24時間点滴をしての入院生活です。そこに存在して、なんとか息をしているだけで精一杯の毎日です。
当然動けませんし、うずくまってひたすら苦しみに耐え続けるだけです。絶望感しかありません。まだお腹は大きくない時期ですし、赤ちゃんがお腹にいることなど忘れてしまう苦しみです。
それにもかかわらず、酷いつわりや妊娠悪阻で苦しんでいる妊婦への理解がないために、以下のようなことが実際に起こっています。
・「仕事を退職させられた」→完全に不当。訴えてよし!しかし、そんな理解のない職場、こっちから願い下げだ!
・「怠けていると言われた」→動けるものなら動きたいよ!息もできないほどなんだよ!体中痛いんだよ!替わってみろよ!
・「マタニティーライフをエンジョイしてね!と言われた」→は?エンジョイできる要素無し!息をなんとかして生きているだけで精一杯なんだよ!!
・「赤ちゃんが産まれたときのことを想像して、雑誌なんかでベビーグッズを見てワクワクすると気が紛れるよ♪と言われた」→は?起き上がれるならいいですけどね!雑誌なんか見てたらすぐに目眩がして吐きますよ!!
・「人によるんでしょうけど気合が足りないんじゃない?と言われた」→気合でどうにかなるならしてるわ!息してるだけで精一杯なんだって!お前にも催眠術かけて妊娠悪阻にしてやろか!!
・「○○さんは妊娠しても仕事に来ていたよ。と言われた」→仕事に出られるレベルのつわりなら出とるわ!!出られないレベルの死にそうな妊婦は表に出られないからお前が何も知らないだけじゃ!!お前にも催眠術かけたろかい!!
などなど、枚挙に暇がありませんが、他人の妊娠と比較できるものではないにもかかわらず、職場の上司や同僚やお局やら、ついにはご主人すらからも心無い扱いを受け、酷い悲しみや憤り、殺意が湧いたという声もたくさん聞こえてきました。
また、残念なことに、実母ですらつわりが軽かったせいで、酷いつわりの苦しみを理解してもらえなかったという方も。
私はその点、実母も酷いつわりで大変な目にあっていたのというとで(本当にこんなに辛い思いをしてまで産んでくれてありがとう、としかいいよ言うがありません。。。)理解があったことや、血縁のある叔母も、私よりも10cmは身長が低いんじゃないかという小柄な方なのに、妊娠時は妊娠悪阻で20キロも体重が落ちて入院した経験をお持ちで、周囲からは色々雑音が入っては来ましたが、身近な血縁関係者の理解があったことにかなり救われました。
夫と一緒に乗り越える
主人は基本的にものすごく優しいのですが、初めての事態にどう対処したらいいのか最初は戸惑うばかりで、私としても、「そうじゃない!」と思うこともありましたが、なんとか一緒に乗り越えてくれました。感謝しかありません。
いつか、主人目線での妊娠悪阻の乗り越え方も別途お伝えできたらと思います。
とにかく、こんなもん、気合でどうにかなるものでは一切ありません。自分自身の身体なのに、いっさいコントロールが効かなくなります。
ホルモンの力は本当に恐ろしいです。人間の原型を保てなくなるほどの苦しみです。
はっきり言って、上記に挙げたようなことを言ってくる輩たちは心のなかでさっさと死刑にして、それ以上関わらなくてよし!
きっと、人から人へと命をつないでいく人間じゃないのです。アメーバのような、自己分裂で増えていく類の生き物なのです。理解されようがありません。(その相手がご主人であれば、一度話し合う必要があるかとは思いますが、正直、かすかに残るエネルギーを誰かと話すことに費やすパワーすら無いのが妊娠悪阻です。)
前置きが長くなりましたが、とにかくこれだけ理解・認識されていない妊娠の事実について少しでも認知してくれる人が増えるよう、次回からは具体的な私の体験を記していきます。【続】