「よく聞きたまえ。これが妊娠だ…!!〜まりこの妊娠悪阻闘病記⑧〜ついに入院」
みなさまこんにちは。
出産を控え、臨月、そしてついに正期産(いつ出産しても問題のない時期)に突入した、フリーアナウンサーの池田麻里子です。
今回は地獄の十日間をやり過ごし、やっとこさ第2回目の診察日を迎えたところから始まります。
地獄の十日間を過ごし、ようやく入院へ
聖路加病院は担当医制ということで、この日から毎回同じ曜日に同じ先生に診察してもらうことに。ちなみに私の担当の先生は大御所の女医さんです。
朝、主人と前夜から泊まりで手伝いに来てくれていた母に抱えられてタクシーで病院へ。
息も絶え絶えに待合の席に付きます。
もうね、起き上がって椅子に座っていることが苦しくて仕方ないわけです。
横になりたい。。。
息が苦しい。。。
隣の主人によりかかりながらなんとか息をして待っていました。。。
しかしね、不思議なことに、周囲の妊婦さんらしき人たちは皆、スマホをいじったり、普通に座って待っているんですよ。息も別に苦しそうじゃないように見えるのです。
かたや、こちらは体勢も保っていられずぜーぜーしっぱなわけです。
私だけがおかしいの?
みんな、つわり、ないの・・??
私がおかしいの・・??
なぜ・・・??
という思いがこだまします。
ようやく診察室に呼ばれても、フラフラしていて椅子に腰掛けるにもよろめいて危ない状態。
その姿を見て、先生も心配になったのか「だ、大丈夫ですか?💦」と。
いや、大丈夫じゃない、助けてくれ(心の叫び)
そしてまずは息も絶え絶えに問診で状態や状況説明です。
・水も受け付けず、常に吐いていること。
・体重が8キロ減ったこと
諸々伝えると、周りの看護師さんたちもざわめき、「これは、、、入院しますか?」と先生。
やっぱり入院レベルだったんだ・・と、このとき確信しました。
そしてついに、妊娠悪阻(にんしんおそ)の診断がくだったわけです。
夫の誕生日に緊急入院
入院の支度をしてきていたわけではなかったので一瞬ためらいましたが、そんなものは横にいる主人と母に持ってきてもらえば良い!ということで即入院の手続きが取られました。なにやら緊急入院ということらしいです。
診察室から、まずは入院する部屋の支度や手続きなどが終わるまで別室のベッドで待機なのですが、車椅子に乗せられて移動です。
もう、周囲の待合に居た妊婦さんたちも何事かと驚きを隠せない様子ですが、もうこちらは恥ずかしさも何もありません。「助けてほしい」という一心で、かろうじて息をしているのですから。
別室のベッドに横たわり、点滴の準備もなされました。
これで、ようやく私は助かるのだろうか。。。朦朧とする意識の中、入院の準備が整うのをベッドに横たわって待っていました。
さて、ここで妊娠悪阻の復習です。
再び、妊娠悪阻とは?
つわりが悪化した先の「妊娠悪阻(にんしんおそ)」は「病気」とみなされています。
保険が効いて、本人の意思にもよりますが、即入院です。
妊娠悪阻と診断されるにはいくつか以下のような基準があり、どれかに当てはまると妊娠悪阻と診断されて入院を勧められます。
・1日5回以上嘔吐する
・吐き気が強くて水も飲めない
・吐くものが無いのに胃液や胆汁を嘔吐する
・短期間での5〜10%以上の著しい体重減少
・トイレに行く回数が明らかに減る
・尿からケトン体が出る
全てに当てはまってしまった私は、診察のタイミングでそのまま即入院でした。部屋の準備も整い、看護師さんに車椅子で部屋へと運ばれます。
主人は入院申込みの手続きや付き添いなどの間一緒にいてくれ、母は入院中の着替えや必要なものをまとめにいったん自宅に帰ってくれました。
私は、息も絶え絶え、ベッドに横たわり、主人と一緒に看護師さんからあれこれ説明を受けます。
早くこの地獄の苦しみから抜け出したいのですが、入院中の処置は、ひたすら水分補給の点滴と、栄養の点滴、吐き気止めの点滴をしながら、自力で水分を摂取できるようになるまで療養するのみです。
なにせ、このつわりからくる症状を改善、もしくは根本的に解決してくれるような薬や対処法は少なくとも今の日本にはありません。
海外で医師をしている友人の話だと、
「ボンジェスタというつわりが軽減される薬が日本でもそろそろ承認されるという話も聞くが、実際どうなっているのかは不明」
とのことで、そのボンジェスタやらがないか、ある時回診に来てくださった男性医師に尋ねるも、「ボンジェスタ?聞いたことないですね。。。」との回答(チーン)。
承認されている気配皆無。
そうだよね、あればとっくに処方されているよね・・・(泣)
日本産科婦人科学会や私の古巣でもある、すべての医薬品・医療機器などの医療品を審査・承認する機関であるPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)よ、どうか頑張っていただきたいと切に願う。
そして、私の妊娠悪阻入院生活が始まったのですが、入院は入院でこれがまた辛い。
しかも、入院した日は、主人の誕生日。
結局お祝いなどできないどころか、妻が入院というある意味忘れられない日にさせてしまいました。【続】