「よく聞き給え。これが妊娠だ…!! 〜まりこの妊娠悪阻闘病記⑨〜入院初日」
みなさまこんにちは。奇しくも主人の誕生日当日に妊娠悪阻で聖路加病院に緊急入院することになり、病室へ車椅子で運び込まれたフリーアナウンサーの池田麻里子です。
主人があれこれ入院手続きを終えて病室に来てくれたのだが、なんと入院1日(1泊)の費用が一番安くてうん万円ということらしく(すべて個室)、点滴が数種類利き手の右腕から流し込まれているが、体調が改善されているとは思えないほど引き続きふらふらで気持ち悪いにもかかわらず、
「これは長く入院していられん・・・。早く出ないと1週間も入院したら家賃より高くつくじゃないか・・・!!」
と、思えるくらいには思考が回っていたのは、点滴が効いていたおかげかもしれない。
私が息も絶え絶えベッドでうずくまっている中、母も入院グッズを持って駆けつけてくれ、入院態勢は整えられました。
恐怖の夕飯がきた
症状としては、においつわり、吐きづわり、食べづわりやら、とにかく少しの物音が脳天を直撃して苦痛でならないやら食事はできない、水は受け付けないなど色々重なったわけで、それらの症状も健診の際に伝えてあったわけなのだが、何故か18時頃に部屋に夕飯が運ばれてきた。
「ギャーーーーーーッ・・・!!!!!」
もうね、食べ物の匂いNGなのさ。
苦しいし、息できない。。。
ベッドの傍らでPCを開いて仕事をしている主人に、足元の外気が入る「窓を開けてくれ!!!」とお願いするものの手元のPC作業が乗っているらしく、「ちょっと待って」と。
いや、息できないんですけど!!
死にますけど!!
渾身の思いで手を伸ばしてパシパシと主人を叩いたら、不服そうだったがなんとか窓を開けてくれた。。。
主人の気持ちもわからなくもないが、とにかく息ができないので、その苦しみをわかってもらえずに「ちょっと待って」と言われて死にそうになったことには、今でも思い出すとちょっと怒りがこみ上げてくる。
いや、仕方ないのはわかる・・・。
食事の匂いがこんなに苦しく息ができないものだなんて、においづわりになってみないとわからないだろう・・・。そもそも、一生つわりになることがない主人に完璧にわかってもらおうというのが無理なお願いなのだ。
ただ、食事に限らず、すべてのにおいが本当に息ができないほど苦しくなるということを、においづわりで苦しむ妊婦さんが近くにいる周りの方たちにはわかっていていただきたい限りである。
ひさしぶりに眠れるか?
それから、窓からの外気をすーすーとなんとか吸い込みながら(2月半ばだったので結構寒かったと思うが)、
運ばれてきた食事はすべて母に、私となるべく離れた部屋の隅で高速でたいらげてもらった。
そして、看護師さんに、‘朝食なし、昼食ハーフ、夕食ハーフ、で明日は食事を摂る訓練を頑張ってみるが、とにかくにおいが耐えられない‘ことを強く伝えた。
夜になり、主人も母も帰宅。
主人にとっては忘れられない誕生日当日になってしまったであろう。
本当に申し訳なかった。
その後、一人で悶々と点滴に繋がれて、ただただ苦しくて眠れない夜を過ごすのかと思うと気が滅入ってきたが、
どうやら夜の点滴は眠気を誘う成分も入った吐き気留めを入れてくれるらしく、少々期待。
耐え難い苦しみが訪れたらナースコールを使えばいいし、今夜は眠れることを祈るのみ。
すると、22:30頃に睡眠誘発剤?が入っている吐き気留めを入れてもらったところ、たしかに23:00過ぎくらいに意識が朦朧としてきた。
あ、これが眠気?
ずっと気持ち悪すぎて眠気がどんなものか忘れていたよ・・・
でも、気持ち悪さと睡眠誘発剤が戦っている。眠れそうで眠れない。このまま眠りたいけど気持ち悪い・・・。
それに、点滴つけたまま寝ちゃって、夜中に寝返りでもして針が抜けて流血事件にでもなったりしない? などという心配も重なり、眠れない、眠れない・・・。
格闘していたら、吐き気留めも虚しく、思い切りリバース。
そんなことを繰り返し、深夜1時過ぎには一度眠れた気がするのね。ただ、定期的に看護師さんが見回りに病室に入ってくるのよね。点滴が切れていたら交換してくれたりするわけで、それはありがたいんだけど、
眠りが浅いせいか、すぐにそれで起きてしまう。
起きてしまうと「ごめんなさいね〜、眠っていていいですよ〜」と看護師さんたちは言ってくれるのだが、いや、普通に起きるでしょこれ。
看護師さん乱入
そんなこんなでやっと明け方深めの眠りにつけていたはずなのだが、朝6:00に「おはようございまーす!本日の日中を担当させていただきます看護師の〇〇です!」と看護師さん乱入。
もうね、こちら気持ち悪さの中やっと深めの眠りにつけたはずのところに来られては、‘乱入’としか言いようがありませんよ。
え、マジで?
このまま眠らせてほしかったよ〜(泣)
と、本気で思った。
で、これまた意識が朦朧とする中、早朝から検温や血圧、酸素濃度の測定に、点滴の入れ替えなどが行われる。
それからまた眠れないものかと眠る努力をしウトウトしていると、
朝9:00頃に、猛烈な勢いでキャスター付きの大きなワゴンか何かが部屋の前の廊下をガラガラガラガラというか、ゴーゴー、ゴーゴーと酷い音を立てて何度も何度も通過していくではないか。
え、何これ??
頭痛い頭痛い気持ち悪い気持ち悪い苦しいよやめてくれ〜〜〜〜っ!!!と、布団にうずくまり、その音が静まるのをただただ耐えた。
すべての物音が脳天に直撃して死にそうになるので、本当に苦しかった。
いったい、この音が何だったのかは次回に続くことにしよう。【続】