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「よく聞き給え。これが妊娠だ…!! 〜まりこの妊娠悪阻闘病記⑦〜妊婦やめたいの巻

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みなさまこんにちは。

出産を控え、臨月、そしてついに正期産(いつ出産しても問題のない時期)に突入した、フリーアナウンサーの池田麻里子です。

今回は、聖路加病院の救急に運び込まれてからの続きです(読みたい人はクリックしてね!)。

正直、今すぐに何でもいいから、入院でもして助けてほしい思いで一杯でした。うん、点滴が終わり、深夜2時だったか3時だったかに帰宅することに。

入院するほどではなかったのかなぁ。。。

もう既に体重が6キロも減っているとも伝えたんだけど。。。

また脱水症状になったらどうしよう。。。

次の診察のまで10日も耐えられるのかなぁ。。。

と、不安とまた訪れるであろう苦しみの長い長い日々に恐怖しかありませんでした。

画面で酔う、スマホすら見るのが辛い

時々、仕事の依頼の連絡などが来るのですが、何せスマホを見るのが辛い。画面で酔うので吐き気を増幅させます。

なんとか事情を息も絶え絶えに説明しながら、寝床とお手洗いを往復しておりました。

もしかしたら、あまりの気持ち悪さに支離滅裂になっていたかもしれず、当時連絡を取り合っていた仕事関係者の皆様、申し訳ございません。

この頃は、担当している木曜日と金曜日のデイリーニュースも、毎週頭に体調を報告しては出演を見合わせていました。

各種症状は一切収まらないどころか、体重は日に日に減っていきます。毎日、「死にたい(泣)」「妊婦やめたい(泣)」と泣きながら過ごす始末。

困り果てた主人と手伝いに来てくれていた母も、息苦しそうに動けなくなっている私を見て、

「そろそろ入院レベルかな・・・」

と、おろおろするばかりで何もできずに見守るしかない状況です。

つわりを軽減させる手立てが医療的にもほぼ無いのですから、そりゃどうにもできませんよね。

つわりを軽減させる手立てが医療的にほぼない?

とにかく息ができない、目眩が止まらない、ひたすら吐く、すべての匂いを受付ずに食欲も一切なし、でも食べづわりだから何かお腹に入れていないと気持ち悪さ倍増でまた吐く・・・という、控えめに言っても地獄そのものの、果てしなく長い時間との闘いが次に予定された診察まで続きました。

そう、この頃ふと思ったんです。

「私の身体は借り物であって、次の生命を繋ぐためだけに神に操られている入れ物に過ぎない。。。」と。

これほどまでに自分自身の身体をコントロールできないことはこれまでほぼありませんでしたからね。

 

実際、この頃全く食事という食事ができずに「朝バナナ」を食べづわり対策で摂り入れていただけの私でしたが、お医者さんは、

「今は食べられるものだけを食べていればいい」

「食べなくても赤ちゃんは育つから、赤ちゃんのために何か食べなきゃと思う必要はない」

というので、食に関しては完全に放棄しておりました。

というのも、妊娠初期の赤ちゃんというのは、母親の身体に既に蓄えられている栄養分を吸い取って成長しているそうで・・全く母親がその頃食べたものからの栄養を摂っているわけではないそうで・・。

いやぁ、本当に、私の身体中にある全ての栄養素やエネルギーを吸い尽くされているのを体感しました。

そして、息もまともにできずにひたすら苦しいわけだと妙に納得しました。

生命を繋ぐためのシステム、恐るべし。

私は何の司令も出していないのに、勝手に赤ちゃんは母親の身体からエネルギーを吸い取り、成長していくとは!

私の身体は、次の生命が育つための生命維持装置

これはまさしく人類が命を繋いできたDNAの歴史!?神の仕業としか思えませんでした。

私の身体は私のために存在しているのではない、と。

人類の生命を繋ぐためだけに今そこに存在しているのだと。

だから、母体の私がいくら気持ち悪かろうが、息ができなかろうが、母体はぎりぎり生きてさえいればどうでもよくて、次の生命が育つためだけのただの生命維持装置!!

そう、それこそが母体!!

そう感じました。

同時に、女性活躍社会だの、出生率低下だの、マタハラだのと色々と聞こえる現代ですが、

「いやいや、出生率の低下を食い止めたいならつわりを軽減させるための医療対策に費用を投じろよ」

と、本気で思いました。今でも強く思っています。

そして、女性が活躍する社会はもちろん良いのですが、活躍するためにも、女性の身体への理解を深めてくれよ、と心底思います。

人類は皆、女性から誕生しているのだ!

マタハラなんてあり得ません。

人類、皆、女性から誕生しているのです。

それなのになぜ、妊娠するとプレッシャーを掛けられたり、仕事を辞めさせられたり、嫌味を言われたりと肩身の狭い思いをしなければならない妊婦さんがそこかしこで泣いているのでしょうか?

許せん(怒)。

そして、つわりさえ軽減されれば、キャリアを寸断されることなく活躍を続けられる女性が間違いなく増えます。

正直、今すぐにでも産まれてきてもおかしくない我が子に早く会いたくて今は仕方ないのですが、つわりを軽減させられる医療体制が整わない限り、第二子以降は私はないと思っています。

本当ならば、子どもは2〜3人欲しいなと思ってきた人生でした。でも、つわりの身体への影響や社会情勢がこんなんではとてもじゃないけど無理です。

さて、閑話休題。

地獄のような日々を過ごし、ようやく診察の日がやってきたのでした。【続】

 

池田麻里子

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